プラント配管は「破損」や「劣化」などによるトラブルが起こりやすい設備です。
プラント配管専門業者によるメンテナンスに依存せず、日常点検も必要不可欠。
また、人体への影響もゼロではありません。この記事では、プラント配管のトラブル回避のための「劣化」について紹介していきます。プラント配管工を目指す方もぜひ、読み進めてみてください。
プラント配管工事
プラント配管とは「工場」に限定された配管工事です。工事内で使用したり排出される水や空気のみならず、汚水、ガスなどを通す配管になります。
ガスのみならず、工場によって扱う物質・材料は異なります。薬品も毒性が高い物質もありますし、危険な物質を通すこともあります。配管に詰まりやすい小麦粉など粉状のものもあれば、石油などのエネルギー物質もあります。
これらはプラント設備とも言われています。石油製品、鉄鋼材料など、さまざまな資源や素材を生み出す施設で、石油化学プラント配管なども専門会社では引き受け設計から施工、メンテナンスまで行っています。
なお、配管設計については、建築物やプラント内の配管の設計や配置を手がけることをいいます。設計ミスも許されませんが、プラント配管は溶接の甘さなどが原因で配管からなかの物質が漏れ出すトラブルも引き起こすことがあり、技術面でもミスできません。
サビや剥離
プラント配管を製造・設置する際には、溶接や塗装なども行われます。プラントにおける配管やタンク、ダクトなどに施す塗装の目的は、発生する「サビ」を防止することです。(配管の用途を分かりやすく色分けする目的もある。)
プラント配管を含め、工場内の設備は鉄製が多いため、定期的に塗り替えメンテナンスを行わなければ、サビが発生し腐食します。このサビも「劣化」です。
腐食しやすいのはフランジです。腐食しやすい原因には、ガスケットから液やガスが漏れたり、ガスケットやボルトが劣化し、その影響を受けてフランジも劣化してしまいます。
パイプやフランジそのものは液体や気体など物質の特性に応じた材質を使用していたとしても、ガスケットやボルトまで適切なものにすることは難しく、定期的なタイミングでの交換が必要です。
しかし、経年劣化や耐用年数を迎える間にメンテナンスを怠ると劣化が進んでしまい、フランジ周りの腐食が進んでしまいます。
サビで着色が進んでいれば、早めに対策を考えましょう。また、塗装によっても一部剥離が起こります。配管には錆止め用に塗装をしますが、このような劣化サインを放置してしまうと「漏れ」が起きてしまいます。
配管の劣化を確認するにも、ボルトやガスケットを見るには注意しないといけません。しかし、フランジなら確認しやすいでしょう。
構造的要因のみではない
構造的に劣化するのではありません。なかには、環境的な要因により劣化が早まることもあります。プラント配管の設置環境によって腐食が進行するケースもあります。
例えば、塩害の影響を受けやすい環境や、紫外線が当たりやすい環境、雨水が滞留しやすい環境などです。設備維持のためには、状態を判断できるメンテナンスや日常点検(自主)は必要不可欠です。
トラブルについて
一部、トラブルについてご紹介しておきます。
・配管の保温材下腐食によるガス漏えい
・液化アンモニア導管からの漏えい
このように漏れ出る物質によっては環境、人体に影響してしまいます。腐食環境が厳しいにも関わらず、定期的に点検のポイントに選定していなかったり、点検するにしても地上から確認する程度であれば、未然に防ぐのは困難です。
トラブルや事故を未然に防ぐためにも、構造的、環境的要因を把握して、点検箇所を見直して定期的に確認しなければなりません。
おわりに
プラント配管は工場を稼働させるには必要不可欠です。専門業者との連携により設備機能の維持をはかるように心がけましょう。