配管工についてはある程度イメージも付きやすいと思います。しかし、「プラント配管」とはどのような配管なのか、理解できる人と言うのは少ないと思います。
さらに、プラント配管を溶接する現場作業員ではなく、図面を設計する人材について知らない方も多いのではないでしょうか。
設計業務については図面を引くだけのイメージを持たれやすいですが、配管工事の知識も技術も必要になります。このことからも分かるように、プラント配管は専門性の高い仕事です。
ここからは、図面作成を担当するプラント配管の仕事についてご紹介していきます。この業界での活躍を考えているなら参考にしてみてください。
プラント配管について
プラント配管は、自動車、電子機器、食品などの工場に設置する配管です。よく見かける上下水道などの液体、ガスなどを通すパイプ類も配管に該当します。
現場の状況によって配管の調整を行うためにバルブを設置し、測定する計器類を取り付ける作業も行われます。
配管設置する際は、全体の構造や構成を図面設計します。現場(クライアント)によっては、設備コストを抑える必要もあり、そのような設計になっているかを作成段階で検討します。
プラント配管の仕事
図面作成する設計士の場合には、臨機応変に必要な配管を設計できる技術を必要とします。加えて、クライアントと打ち合わせをしながら進めるのですが、住宅や店舗などに施工する配管よりもさらに高度な知識と技術を必要にします。
配管を流れるのは、上下水道やガスだけでなく、プラント配管の場合には高熱の液体、有機溶剤、有害ガスなども流れています。そのために、安心・安全に設計できる知識や技術は必要不可欠です。
さらに、計器類とひと口に言っても、温度計や流量計など、目的に応じた機材を選定することもあります。プラント配管の仕事は、高度でもあるために「やり甲斐」のある仕事だと良く言われています。
なお、プラント配管は図面を引く設計のみならず、工場や現場などでの作業もあります。業務内容としては以下の通りです。
・配管を切断
・配管を溶接
配管レイアウトやアイソメ図をもとに、配管や継手などを溶接で接合します。
重要なこと
プラント配管は図面を引くところから、現場で施工するところまで担います。現場によって設計と作業を別々に分けることもあれば、一貫して取り組むケースも。
現在、プラント配管工の求人数も増加傾向にあります。できるなら、全体を取り扱える知識と技術を持ち合わせておくことをおすすめします。
実際、施工する立場が理解できるからこそ設計ができ、設計のことが理解できるからこそ現場で施工する際にテキパキ動けます。
図面について
プラント配管は施工技術も重要ですが、その施工に用いる図面作成も重要です。この設計するうえで、「CAD」が用いられるので、仕事にしたいのならば、基本的な技術を持っておくと良いでしょう。
なお、プラント配管の図面は「2D」も「3D」もあるので、どちらの図面にも対応できると活躍の幅が拡がります。
ここで、配管系統図について少し紹介しておきます。
液体や気体などの配管を必要とする機器・設備において、配管の順序、構成要素、設備との位置関係を示す図面のことを配管系統図と言います。真上から見る平面図では表せない情報を伝えやすくします。
さらに、図面にはアイソメ図とアクソメ図があります。アイソメ図は、奥行きや高さなど、先に伝えたように平面図では表現しづらい三次元の数値を入力して作成します。
このように、プラント配管工事に関する図面は現場で施工しやすいように作成されます。
おわりに
プラント配管に関わりたいのなら、配管技能士の資格もあります。携わってからは、経験値を飛躍的に引き上げる活躍ぶりも期待できる業種です。