事業所内を縦横無尽に走り、複雑な流れで設置されているのがプラント配管です。
この配管の扱いは、専門の知識と技能が必要であり、それを証明するための資格も存在します。
今回はプラント配管とはどんなもので、それを扱う資格の存在や取得方法はどのように行われるのかをまとめました。
これを読めばきっとプラント配管の資格について知ることができるでしょう。
・プラント配管とは?
プラント配管とは、化学工場や食品工場、製鉄所などの工場で使用される各種の配管を言います。
単に水を通す上下水道から、熱湯、酸素、各種ガスや液体といった製品の製造に必要な資源を運びます。
中を流れるものによって、その配管の構造が異なり、適切な配管を適切な位置に設置することが必要です。
加えて圧力計や流量計、レジューサー(配管同士をつなぐ部品)、配管系統の弁といった各種機器があるため、
それらを考慮します。
そういった背景から、設計や施工にあたっては専門の高度な知識が必要であり、水道や空調とは別の扱いとなっています。
・プラント配管に必要な資格がある
プラント配管の施工には、配管技能士と呼ばれる資格が必要です。
プラント配管の施工を行うプラント配管工は、特殊な物質や薬品、危険なガスなどを通す配管を担当します。
そのため、安全な施工と確実な配管建設には高度な技術と知識が求められるのが事実です。
このような事情から、プラント配管の施工を行うには資格を取得する必要があります。
冒頭で紹介した配管技能士とは、都道府県職業能力開発協会が実施している国家資格です。
建築物の配管工事の技能を認めるための資格として設置されており、1級から3級までの等級があります。
1級は上級技能者、2級は中級技能者、3級は初級技能者が通常有するべき技能の程度を表しています。
さらにこれらのプラント配管工資格の上位資格として管工事施工管理技士という資格があります。
これは管工事において、施工計画を作成し、工程管理、品質管理、安全管理等の業務を行うものとされている資格です。
1級と2級があり、1級は特定建設業の営業所や工事現場ごとに置かなければならない重要な資格とされています。
また、2級に関しても一般建設業の営業所の専任技術者や、
工事現場における主任技術者としてプラント工事に必要な資格です。
・プラント配管の資格の取得方法や試験を受ける条件
最後に配管技能士と管工事施工管理技士の取得方法や試験を受ける条件を紹介します。
配管技能士は、試験は「建築配管作業」と「プラント配管作業」に分かれており、それぞれの試験を受けます。
3級は実技試験のみ、2級以上は学科試験と実技試験の両試験をクリアすることで取得できます。
条件は、3級が受験資格なし、2級は3級合格または2年以上の実務経験、
1級に至っては7年以上の実務経験(2級合格者は2年、3級合格者は4年)とされています。
また、学歴によっても短縮され建築の専門学校を卒業すると1~2年短縮、建築学科の高専または短大卒業で2年、
建築学科の大学によって3年短縮されます。
これら以外にも短縮される要件があるので、実務経験が3年程度でも取得可能です。
ちなみに1級合格者の上に特級という資格も設けられていますが、これは一律1級合格後5年以上という厳しい条件です。
管工事施工管理技士は、第1次検定と第2次検定が1級、2級共に存在し、最初に基礎的な学科試験となる第1次、
次に実地経験が求められる第2次を受ける形です。
1次に合格した場合、管工事技士補の資格が取得できます。
資格取得条件は厳しく、2級で8年(中卒)~1年(大学の指定学科卒)、
1級で13年(中卒)~3年(大学の指定学科卒)の実務経験となっています。
まとめ
プラント配管は、専門的な知識が必要であり、危険なことも少なくありません。
そのため、安全な施工を行うためにプラント配管の資格である配管技能士や管工事施工管理技士の取得が必要です。