工場や建設現場に行くと、激しい火花を散らしながら作業する方を見かけます。
その火花が顔や髪の毛に飛び火すると大やけどを負うことに、
ですから大きな仮面のようなものを当てておこなっているはずです。
これは金属同士をつなぎ合わせる作業・溶接工と言います。
見ての通り、高温を扱うお仕事ですから危険が伴うこともあり、
お仕事として考えているのであれば資格の取得が必須となります。
溶接と言ってもさまざまある中で、ティグ溶接とは何か、どういった資格が必要かについて見ていくこととします。
有名なのはアーク溶接の方でしょうか、火花を飛ばしながらの作業はアーク溶接の方です。
これはアーク放電という現象を利用したもの、
2つの電極に電圧をかけていくことで電流と強い光・高い熱が発生するという化学反応を利用しているのです。
一方でティグ溶接は片手に金属棒を持って溶接をおこなっているのがそうです。
技術の授業でおこなったはんだ付けもそう、アルミ・ステンレスといった非鉄金属の溶接に使用します。
車・バイクなどでお馴染みの溶接法、こういったものを作る現場で見ることとなるでしょう。
火花が飛び散らないので溶接部分も見えやすく作業しやすい、ティグ溶接の方が初心者向きです。
とはいえ、高温が出るのは同じこと、決して安心はできません。
高い知識と技術力の元で作業がスムーズにできるよう、資格取得を目指しましょう。
まず必須となるのが「アーク溶接等の業務に係る特別教育」です。
アーク溶接にティグ溶接・半自動溶接やガス溶接と、
とにかく溶接や溶断関連の業務をするなら受講しなければなりません。
取り合えず受講さえすれば誰でも合格することができる資格ですから、難易度は低いです。
法律でも特別な教育を受けることが定められていることもあり、受けていないと法律違反です。
その他には、ティグ溶接関連の資格として「手溶接技術者」や「ステンレス鋼溶接技能者」
といったものを取っておくようにしましょう。
現場で溶接工としてやっていくために必要なものです。
学科試験・実技試験とあり、過去問題を1通りやっておけば学科試験は楽勝でしょう。
ですが、実技試験はそこそこの難易度、ティグ溶接工としてこれからもやっていく作業、
何度も練習して慣れておいた方が良いのです。
いずれも日本溶接協会・JWESが主催する溶接技能者という資格の中にあるもの、
そのほかにもさまざまあり、頑張って取得すればそれだけお仕事の幅も広がるのです。
溶接技術者資格の中でも更に細かく分類されますが、
ティグ溶接だとT-1PとTN-pというパイプ資格を要求されることが多いです。
最低限の技量があるということの証明、
必須とは言わないもの発注先からの要求事項の中に記載されていることが多く
最近ではほぼ必須と言える扱いとなっています。
ティグ溶接工を目指す場合、その他にも「石油工業関連溶接士」「電気事業法溶接士」「AW検定」
などさまざまな資格があります。
これらはいずれもより難易度が高くなっており、
これからティグ溶接工になりたいと希望している方よりもすでにある程度の経験がある
一人前の溶接工が受けるものなのです。
組織的な編成がなければ受験資格すら得られない、
より高い技術力や知識をと目指しているのであればいつかは会社とも相談のうえで
ぜひ受けていただきたい資格です。
溶接工として現場で働くのもいいですが、
もっと幅広い知識を持っていれば就職や転職の時にアピールできます。
管理される側から管理する立場へと上り詰めていくことも可能に、
「溶接管理技術者」「管工事施工管理技士」などプラスアルファで持っていれば有利です。